Sunday, November 27, 2011

3 advent B

待降節第3主日 B
【ヨハ1:6-8,19-28洗者ヨハネの証し】野の百合会 2011年12月11日

 待降節も第三週に入ります。今日は喜びの主日と呼ばれ、世の救い主がまもなく、この地上に来て下さる、その喜びを表す日です。

「私は荒れ野で叫ぶ者の声である」。今日の福音書は、このヨハネのことばで頂点に達します。荒れ野というとピンとこないかもしれません。福島の第一原子力発電所の周りに20キロの周りに誰も住めないことになっています。
今の東京都知事、石原慎太郎さんが40年も前に、『化石の森』(1973)という小説を書きました(受賞もしました)。
たとえ表面的にははなやかに活動し、快適な生活をおくることに恵まれたとしても、神を見失った心は、精神的には不毛な荒れ野といえます。また、そうした意味で、大都会は、たとえそこに、現代の技術の粋(いき)をつくした高層ビルが乱立し、どんなに多くの人々が群がってこようとも、神を見失っているかぎり、荒れ野といえます。利己的な欲望と快楽を求めながら、互いの信頼を失った人々の群がる大都会は、石原慎太郎の「化石の森」となっています。
また、こうした荒れ野に呼びかけ、神への目覚め、悔い改めを訴えていくのが、「荒れ野に叫ぶ声」なのです。

 大工さんのお父さんと、工場で働いているお母さん、小4年のお兄さんと、小2年の弟、それから大きな犬の4人と1匹の、家族の話です。家族みんな仲良く、お母さんはお父さん思いで、いつもとても明るくて、神さまをとても信頼していることで有名で、誰からも好かれていました。その家の玄関には「いつも喜んでいなさい、絶えず祈りなさい、すべての事に感謝しなさい」(Ⅰテサロニケ5: 16-18)と書かれた聖句が掲げられていました。皆このお母さんの家らしいと思っていました。
ところがある日、子どもが学校から帰るとお父さんが死んでいたのです。仕事中、6階から足をすべらせて、死んだのです。行ってらっしゃいと朝送ったばかりだったのに、学校から帰ったらお父さんが死んでいた。
兄弟は余り突然の事に、思いきり泣いた。周りの人も、びっくりして泣いた。でも一人だけ泣かなかった。お母さんだった。そればかりかお父さんの遺体のわきに、玄関にかけてあった「いつも喜んでいなさい、絶えず祈りなさい、すべてのことに感謝しなさい」 の聖句をおいてあったのです。それを見て、皆改めて、そのお母さんの信仰にびっくりしました。皆はそれを見てますます悲しくて泣いたけれど、お母さんは最後まで泣かなきませんでした。
それからお母さんと兄弟と犬1匹の新しい生活が始まった。3時まで工場で働いていたお母さんが、7時まで働くようになった。ご飯をつくる時間が少なくなった分、ご飯がまずいと感じる事が多くなったし、お母さんと遊べる時間が減った分、我がままを言う事が多くなりました。お兄さんにはこれを買ってくれたのに、僕にはどうしてこれを買ってくれないんだといった兄弟喧嘩も多くなった。
半年たちました。犬が病気になりました。お母さんに病院に連れていってと頼んだのに、お母さんは「仕事が休めなかった、急にお客さんが来て行けなくなった、急用が出来た」といろいろ言い訳をしては、なかなか病院に連れて行ってくれなかった。
そうこうするうち、1週間たった。学校から帰ると犬が死んでいた。病気が悪くなって死んだのです。
 泣いて怒る兄弟にお母さんはこう言った。「今まで黙っていたけれど、本当の事を言うと、お金がなくて病院に連れて行ってやれなかったのよ。お前たちの食事代を造るだけで精一杯で、犬の食事代もたくさんかかるから、犬が病気になったとき、これが神さまの取り計らいかなって思ったの」と。犬の病気は保険が利かない分、人間の病気よりお金がかかるのです。
兄弟は、それなら、ご飯がまずくても良かったし、いろいろ物も欲しがらなかったのにと思った。もっと早く教えてくれれば良かったのにとお母さんの事を恨んだりもした。でも犬はもう帰って来なかった。だってもう死んだんだ。その夜は家族皆で泣いた。お母さんが泣くのを初めて見た。お父さんが死んでも泣かないでいたお母さんが、初めて泣いたんだ。
こうしてお母さんと兄弟の3人の生活が始まりました。それから1年。それ以来、2度とお母さんの作ったご飯をまずいなんて言わなくなったし、物も欲しがらなくなった。お母さんの手伝いをよくやるようになった。皆からも「お母さんに似ていつも明るくて良い子ね」と誉められる事が多くなった。そしてほんの少しだけど、お母さんの気持ちが分かるようになったのです。
◇キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられること。それはいつも喜び、感謝し、祈ることです。
 イザヤも「苦しむ僕」の姿をよく知った上で、そのようなメシアが来ること、そして主にあって喜ぶことを教えます。
 救い主イエス様も、人間の体験するあらゆる悲しみと苦しみ。それらすべてを知っています。そして十字架を前にした最後の夜、弟子の裏切り、母の前での無残な死、血の汗を流すほどの大いなる苦しみを知りつつ、こう祈ったのです。「今、私はみもとに参ります。世にいる間に、これらのことを語るのは、私の喜びが(!)、彼らの内に満ちあふれるようになるためです」(ヨハ17:13)。
 間もなくこの神でありながら人間となったイエス様がこの世にお生まれになります。神に従って生きれば、楽に生きられるというものでもありません。洗礼者ヨハネも、自分はイエス様の先駆けでしかないこと、イエス様の前ではまったく値打ちのないものであることを、言ってはばかりませんでした。そうして名誉、地位も、命さえも惜しみなく神様の御前に捧げていったのです。洗者ヨハネも、神様のみ旨に従順に生き抜いた人間です。神に従うことへの喜びと神様への感謝の心をしっかりと知っていた人間でした。

ヨハネは、その当時の人々の心に、神の姿が消えかけている現実を見つめていて、人間の救いのために叫ぶのです。
「あなた方の中に、あなたがたの知らない人が立っている」と。
神の恵み、神の愛は、私たちを救うために、私たちの中にすでに注がれているのです。この恵の現実に目覚めて、私たちも精神的な滅び、不毛さから立ち上がりたいものです。

Saturday, November 26, 2011

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